貴方と解ける雪女

春を俟ち あなたと解ける 雪女 只々地は 日に照らされり

スクールデイズ

 

 スクールデイズめちゃくちゃ面白かった。主人公がクズすぎて普通の学園ラブコメディが右肩下がりにホラーになってく展開が良い。12話で完結なのでまさしくジェットコースター。こういう絵柄はほとんど見たことないがわりと見れる。リアルな絵でもなんか違うし、アニメ絵だからできる表現(ヒロインの目)がやっぱり強み。まあ実写でもみてみたい。神木隆之介(敬称略)とかで。

 

 自分的には読む人に観たいと思ってほしいので、ある程度あらすじとかも説明したい。ネタバレのない範囲で。

 

 主人公の伊藤誠は高校1年の2学期に入って電車で会う同級生の桂言葉(ことのは)に一目惚れする。好きな人の写真を待ち受けにして1週間誰にもばれなかったら恋が成就するというまじないを実行しようとするが、1日で隣の席の西園寺世界に見つかってしまう。世界は邪魔したお詫びに2人の仲を取り持ってくれることに。両思いが発覚した見事交際に発展した2人だったが、世界は成就のお礼代わりに誠の唇を奪ってしまう!実は世界も誠のことが好きなのだった。。

 しかし言葉とうまくいくようにアドバイスする世界。世界を頼って相談する誠。お金持ちのお嬢様で貞操の固い言葉に誠はどんどん窮屈さを覚え始める。遂に誠は世界との電話で「言葉といるとなんか...疲れる」とこぼすのだった、、

 

 これだけ書けばもうあとは観たくなるはず。それまでほんわか、ちょっときゅんきゅんな展開が急にこのセリフでトーンダウンする。この静寂感。恐ろしい。キャラクターに共感はしづらいかもしれない。いくら好きとは言え、恋のキューピットになっておいてキスしたり明らかに波紋を起こそうとしているように感じられる。だがキャラの心情を抜きにして考えれば、伏線の貼り方が絶妙なのである。

 

 さらに演出、声優の演技力もあるので全然違和感はなく観れるのだ。ハーレムモノの究極形と言っていい。まあ他の見たことないけど。

 

 ついでに何かこの作品を観る意味を追求するなら、何事も疎かにしないようにするべき、とかまあ色々あると思う。でも単純に先が気になる!と思って観ればすぐ終わる。最終回の言葉(ことのは)の紡ぐ言葉が実に美しい。恐怖と共にそのシンプルで洗練された言葉が異様に光り続ける。

 

夢野久作の詩で締めたいと思う。

「胎児よ 胎児よ なぜ踊る 母親の心がわかって恐ろしいのか」