貴方と解ける雪女

春を俟ち あなたと解ける 雪女 只々地は 日に照らされり

学生服

 僕らは汗をかいていたので、少し涼しい風の吹き始めた夕焼けの色の矛盾に驚きながらも学生服を脱いでシャツ姿になった。ただただ広い野原に立ちすさみ、ぼくは隣にいる少年となぜ仲良くなかったのかを考えている。そこから少し遠くには歩道があり、そこを小学生の集団下校が通りゆく。ぼくは隣の少年に「僕らはあの子たちがよく見えるが、あの子たちには僕らの姿は見えているのだろうかね。」と訊ねた。少年は怪訝な顔をしながら「・・・知らないよ、そんなこと。」と軽くあしらった。

 

 ぼくはやっぱり、なぜこの少年と仲良くなかったのだろうと考えていた。