学生服

 彼らは汗をかいていたのか、少し涼しい風の吹き始めた夕焼けの色の矛盾に驚きながらも学生服を脱いでシャツになった。枯れた野原に立ちすさみ修一は隣にいる少年となぜ仲良くなかったのかを考えている。少し遠くに歩道があり、そこを中学生の集団下校が通りゆく。修一は隣の少年に「僕らはあの子たちがよく見えるが、あの子たちには僕らの姿は見えているのだろうかね。」と訊ねた。少年は怪訝な顔をしながら「知らないよ、そんなこと。」と軽くあしらった。修一はやっぱり、なぜこの少年と仲良くなかったのだろうと考えていた。

スクールデイズ

 戦犯の西城秀樹が主題歌を歌っていると思っていたちびまる子ちゃん

 

 スクールデイズめちゃくちゃ面白かった。主人公がクズすぎて普通の学園ラブコメディが右肩下がりにホラーになってく展開が良い。12話で完結なのでまさしくジェットコースター。こういう絵柄はほとんど見たことないがわりと見れる。リアルな絵でもなんか違うし、アニメ絵だからできる表現(ヒロインの目)がやっぱり強み。まあ実写でもみてみたい。神木隆之介(敬称略)とかで。

 

 自分的には読む人に観たいと思ってほしいので、ある程度あらすじとかも説明したい。ネタバレのない範囲で。

 

 主人公の伊藤誠は高校1年の2学期に入って電車で会う同級生の桂言葉(ことのは)に一目惚れする。好きな人の写真を待ち受けにして1週間誰にもばれなかったら恋が成就するというまじないを実行しようとするが、1日で隣の席の西園寺世界に見つかってしまう。世界は邪魔したお詫びに2人の仲を取り持ってくれることに。両思いが発覚した見事交際に発展した2人だったが、世界は成就のお礼代わりに誠の唇を奪ってしまう!実は世界も誠のことが好きなのだった。。

 しかし言葉とうまくいくようにアドバイスする世界。世界を頼って相談する誠。お金持ちのお嬢様で貞操の固い言葉に誠はどんどん窮屈さを覚え始める。遂に誠は世界との電話で「言葉といるとなんか...疲れる」とこぼすのだった、、

 

 これだけ書けばもうあとは観たくなるはず。それまでほんわか、ちょっときゅんきゅんな展開が急にこのセリフでトーンダウンする。この静寂感。恐ろしい。キャラクターに共感はしづらいかもしれない。いくら好きとは言え、恋のキューピットになっておいてキスしたり明らかに波紋を起こそうとしているように感じられる。だがキャラの心情を抜きにして考えれば、伏線の貼り方が絶妙なのである。

 

 さらに演出、声優の演技力もあるので全然違和感はなく観れるのだ。ハーレムモノの究極形と言っていい。まあ他の見たことないけど。

 

 ついでに何かこの作品を観る意味を追求するなら、何事も疎かにしないようにするべき、とかまあ色々あると思う。でも単純に先が気になる!と思って観ればすぐ終わる。最終回の言葉(ことのは)の紡ぐ言葉が実に美しい。恐怖と共にそのシンプルで洗練された言葉が異様に光り続ける。

 

夢野久作の詩で締めたいと思う。

「胎児よ 胎児よ なぜ踊る 母親の心がわかって恐ろしいのか」

親指を突き指しました

 最近アニメばかり観ている。漫画も昔より読むようになった。あんまり選り好みすることがない。非常にいい傾向。そうなったときにもっと面白いものないかなーと思う。映画とかもいっぱい観たけどまだまだ自分の知らない面白いのがあるはずで。でも知る方法がない。わけのわからんブログとかまとめをみても惹きつけられないのだ。そういう不満からもこのブログでは面白いものはめちゃくちゃ熱く語って布教したい。

 

 ガンダム08MS小隊を観た。俺のシャアへの想いが描かれていた。悪役の妹と恋仲になる主人公。セイラはZ以降どっか行ったが。アムロ、セイラ、シャアの関係に近い。まあロミオとジュリエットだろうけども。ヒロイン、アイナの兄ギニアスは名前の通り天才で頭がザクの変なMA、アプサラスを作って地球連邦を窮地に追いやる。ちょっと書くんめんどくさくなってきたので話は省くが、アイナに見限られるときに母親が自分たちを捨てたという発言をして、だからそうやっていつまでも鉄の子宮に云々言われるが、これはシャアにも言えると思う。

 

 逆シャアをみたときにラストのコクピットアクシズとニューガンダムに挟まれながら喚き散らすのをみてササビーのコクピットは子宮なんだと感じた。どんどんどんどん退行していくシャア。最後は子宮に還ってしまう。マザコン、気持ち悪い。でも分かる。子どもみたいにナナイの胸に顔を埋める。エロい感じじゃない。子どものようにそうするのだ。これが伝わる情感がガンダムの魅力だ。

 

 そこら辺がまあ面白かった。08MS小隊。とりあえずそういうことだ。これからもっと気合を入れて熱く語れる何かを探したいと思う。好きなものあんまりないのが悲しい。心の底から好きと言えるもの。それがほしい。

月光の囁き

 『月光の囁き』をみた。ずっと気になっていたが近くのビデオ屋にはないし中古でも高い、と思っていたところにGEO宅配レンタルにて発見し早速借りて観た。

 主人公のタクヤとヒロインのサツキは同じ剣道部で2人が朝練している所から始まる。練習後タクヤはふと「サツキに頭を叩かれるの嬉しい」と言い出す。サツキは「それやったら変態や」と笑う。2人はふとしたことから両思いと知り付き合う事になるが、タクヤにはサツキに言えない秘密があった。彼は恋人としてのサツキよりも一歩下がったギリギリの境界で彼女を想って愛することが至福なのだった。彼女のブルマ、艶かしい白い脚、オシッコの音…。心の奥にどこかそれをサツキに気づいてほしいという思いからベッドに彼女から盗んだ靴下を忍ばせたのを失念し、バレてしまう。そこから2人の関係は崩れ始める。

 

 サツキは処女をタクヤに捧げたが、タクヤは捧げられることを望まない。サツキは2人で共有しあって喜怒哀楽を感じたいが、タクヤはただ彼女の全てを知りたい。ひざまづきたい。I Wanna Be Your Dog. 何も考えずおまえの犬になる。ひとりよがりのタクヤに当て付けるように先輩の植松と関係を持つようになるサツキ。2人の情事を、狂いそうになりながら影でじっと見つめ続けるタクヤの眼差しが愛おしい。汗をかいたサツキの脚をただひたすら舐めるタクヤ。「あんたの舐めてる汗、植松さんのも混ざっとるんやで。恥ずかしくないんか?悔しくないんか?」罵倒するサツキ。照りつける日差しに映えて美しいシーンである。

 

 ストーリーは少しずつダラケだすがラスト、愛はひとりよがりがふたりよがりになって、スピッツの「運命の人」で終わる。

 

 タクヤは、自分を追い込むことで自分の変態性欲を開花させていく。サツキはそれに反発しつつも、その行為自体がSMの世界をより深奥にしていくのである。彼女の脚が汚れたと言っても彼女の脚に付着したモノならそれはもう彼女の一部だ。犬になって次第に物言わぬようになっていくタクヤだが、彼の心はどんどんどんどん表情をみえぬ言葉を紡いでいく。

 

 サツキの役を演じたつぐみが美しい。M男のタクヤを演じた水橋研二も当時20を過ぎているとは思えない、あの純朴さ。感動してしまう。

 

 なんかシンプルに感想だけになってしまった。とりあえず面白かったので漫画も読んでみたい。そもそもこれをみて思うことなんか公共に発信できるようなことじゃない。ただ響く人には響く。

あしたのジョーの力石におくる

あしたのジョー」力石が死んだ。とこまで読んだということ。

 

 力石の死は作者のちばてつや氏がジョーより力石を大きく描いたために、ジョーとの決戦に過酷な減量を強いられることになったのが要因である。これは運命的な物語運びと思う。力石は生み出された時からすでにその死が運命づけられていたと言っても過言じゃない。華々しいデビューを飾っていた矢先に暴力事件で見事に少年院いき。そこで手のつけられない厄介者、矢吹丈に出逢う。少年院での初試合(その前の喧嘩は力石の勝ち)は引き分けだった。気絶した両者は、試合をみた他の少年たちのボクシングに熱狂する声に目を覚ましただ静かに微笑む瞬間、拳闘という名の木の根元に漂流地を、永住地を見出したのだ。ただひたすらおれは運命という言葉が大好きなのだ。チャリで横から飛び出す車にひかれそうになったときも、ひかれそうになっただけでぶつからなかったという事実から「俺は選ばれし人間なんだね」と気づかされた。

 

 でも運命はどう抗うのだ?もしこの場合俺が車に轢かれるにはどうすれば良かったのだろうか。

 

 例えばAとB、2つの道があったとする。自分はどうしてもAに行きたい。しかしBに進まなければいけないという状況下でひたすら懊悩する。例えば30分考えた末に結局、Bに向かったとしてそれは運命からすれば最初からBだと決められていたことなのだ。じゃあ俺が、Aに行きたいという気持ちが運命によって定められていると思ってそれへ抗うためにBを選んだ意味とは?自分の思考が運命にはいつも二手三手と先を読まれているのに俺は屈服してしまった。

 

 運命の実体を何一つ得ていない俺は果たして選ばれし人間なのか・・・?

 

 そんなこんなで「あしたのジョー」は面白い。暴力が凄いが、みんなケロッとし過ぎて忘れてしまう。西が減量に耐えかねて毎夜、屋台のうどんを食っているのに対し、力石を見習えと言って腹パンするジョー。ジョーのクロスカウンターを破る技を練習中の所をジョーのスパイを務めようと健気に頑張るドヤ街の子ども達にみられたからと言ってリンチするウルフ金串。だがほっこりするようなギャグシーンもある。安心してほしい。

 

 力石との物語はただただ熱かった。ジョーの力石への愛が伝わる。もちろんその逆も。ボクシングなんか全然興味ないのにね。プロレスはたまに観るが、あーいう格闘技は何がいいかと言うと男と男の体のぶつかり合いだ。めちゃくちゃ当たり前のことを言うが。なぜ良いかというと、まあ全員乳首がたっている。これがいい。技の応酬とか、魅せとかそうじゃない。乳首がよいのだ。「あしたのジョー」はそういう男の熱さを感じる。もちろんバトル漫画として読んでも面白い。ボクシングは、というか「あしたのジョー」を読んだ感想だがちゃんと理論に適っているので高度なバトル漫画と大差ないのだ。ただ殴り合うだけじゃない。そこには駆け引きがある。西部劇だ。果し合いだ。燃えるぜ!ジョー!

 力石の満足げな死に顔に、俺は彼らにとっての拳闘を見出せるだろうかと訝しがる。ただ今はジョーの行く末を見守る。そもそも読み終わってないのだ。とりあえず寺山修司に対抗して俺の俺なりの力石徹への弔辞だぜ。

 

 こうやって、色々面白かった作品をどんどん書いていきたいと思う。フィルマークスなんかは映画についての諸評を書くにはもってこいだが、作品をみて湧き出る自分の感情なんか書くにはブログとかがいいような気がした。まあほぼ日記。ひとが読める日記なので変なことは書かない。後世に恥は残したくないのでね。次はガンダムです。ご機嫌よう。

 

今日の一句

 

月見ても 心(しん)戸惑えば 爪ぞ切り

働く全ての人を尊敬しております

今日もやってまいりました。学校には行っておりません。申し訳ございません。懺悔します。直に朝です。太陽が出るので私はもう寝ます。自分から出る言葉の軽薄さにびっくりしました。人を馬鹿にして生きてしまいます。自分のことは棚に上げるのが好きです。でも落ちてくるのが心配で夜は眠れませんでした。

 

今日の一句

 

花みても 枯れる姿が 目に浮かぶ